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国際女性デー2008 今が見える国際女性デー展

世界の女性と私たち 理事長 有馬真喜子

3月8日は世界中の女性がお祝いをする日である。フランスで女性デーにミモザの花を贈る習慣があり、スイスでは黄色の水仙、いずれも黄色の花である。

国連では戦後、女性問題を取り上げるようになったが、これに貢献したのがアメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人である。今から60数年前、新しい時代のために女性問題の世界的基準をつくることが必要になった。各国、各人の事情から女性問題を取り上げるのではなく、新時代の世界のため、国際的基準をつくり女性問題を解決しようと考えた。
第1は「参政権」。戦前、日本をはじめ世界中の多くの国では女性に参政権は認められていなかった。人権の基礎として参政権の獲得が必要だった。
第2は婚姻の最低年齢について。早婚は問題であるとの観点から婚姻の最低年齢を決めることを重要課題と考えた。
第3は国籍の問題。国際結婚をした時、日本は血統主義。日本人から生まれた子は日本国籍。アメリカは生地主義で、アメリカで生まれるとアメリカ国籍になるなど各国でいろいろ基準があるが、国際的基準をつくる努力をしてきた。

国連が21世紀の最初の15年間に世界で実現させたい目標(ミレニアム開発目標MDGs)を策定し、8つの項目があり、その中の3つが女性に関することである。

(1)女性に力をつける
人間は男性・女性、大体半々で構成されている。にもかかわらず主に男性がリーダーシップをとり、女性はそのあとに付き従ってゆく傾向にある。
女性に力をつけ、男女で問題を解決することが重要。例えば現在の地球は多くの困難な問題に直面している。この地球環境の問題を解決するためにも、共に力を出し合う必要がある。産業の形態も変わってきている。IT情報など問題解決に女性の力も必要である。

(2)女性の教育を高める
女性に力をつけるためには教育の問題が不可欠で、国連も力を入れ、取り組んできた。しかし、女性が義務教育を受ける率が低い。男の子は学校に行けても女の子は行けないことがある。途上国では学校に行くにも時間がかかり、通学の途中で襲われることもある。その上、女の子には水汲み・薪拾いなどの仕事があり、入学しても途中で止めてしまう。
ODAの草の根の活動では日本での経験を生かし、「集団登校」「スクールバス」を取り入れ、貢献している。しかし、いまだに「女の子を学校に行かせるとは何事か」という風潮もあり、アフガニスタンでは女の子を通学させている家が放火される事件が起こっている。タリバン政権の時代には女の子に教育を受けさせなかった。今も男女別学で、女性教員が不足している。女の先生をつくることが急務である。
ユニフェムはアフガニスタンで識字教育・職業訓練をおこなって効果を上げている。

(3)女性の保健衛生問題
清潔で栄養の問題も考えた生活をして、健康な子どもを育てることは大切である。6月にサミットが日本で開催されるが、世界の3大感染症である結核・マラリア・HIV/エイズの対策など保健衛生の問題も取り上げられる。日本の母子手帳は誇るべきもので途上国にも広めれば、母子の健康、成長の管理・疾病の予防に役立つことと思う。

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