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国際女性デー2011 〜つながる輪ひろがる和〜

自分らしく輝こう:子育て世代への応援歌

共催:
男女共同参画センター横浜北(アートフォーラムあざみ野)
後援:
AWCアジアの女性と子どもネットワーク
NPO法人UN Women日本国内委員会
FRNファイバーリサイクルネットワーク
神奈川新聞社
(社)国際女性教育振興会神奈川県支部
tvk(テレビ神奈川)
特定非営利活動法人WE21ジャパン
横浜市
横浜市女性団体連絡協議会(50音順)
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アマリリスのフルート演奏

女性のエンパワーメントを考える上で、仕事と家庭・育児との両立は避けて通れません。今回は育メンパパによる基調講演と子育て奮闘中のママを招いたシンポジウムを開催しました。女性4人のグループ・アマリリスのフルート演奏がオープニングを飾り、アートフォーラムあざみ野では春の気配が漂う中、若い世代への応援歌が始まりました。


第一部
基調講演「イクメン(育児する男)が社会を変える」

講師 東 浩司(NPO法人ファザーリング・ジャパン理事)
本業は「パパ」。計6回の異業種転職を経て娘の誕生を機に独立。従来の仕事一辺倒ではなく、ママと共に子育てをし、仕事と育児と人生を楽しむパパを目指してイクメン真っ只中。ワークライフバランスやパパ育児をテーマにセミナー講師も勤めていらっしゃいます。


東 浩司講師

まずは会場参加型「脳体操」。お隣と嬉しかったこと、楽しかったことを語り合う3分間。場内はにわかに笑顔あふれる和やかムードになりました。いい父親でなく、笑っている父親になろう。悪口は言わないプラス思考体質になろう。夫婦のパートナーシップを大切に。イクメンは仕事も家事もできるし、プライベートも充実。イクメンが増えれば社会が変わり、今が変わる。パワーポイントを使用しての統計表も分かりやすく、イクメンの勧め全開でした。


イクメンになって分かった『育児を楽しむための5つのキーワード

1、「パパスイッチ」を入れる
妻の出産に立会い、産後のケアをして、体を動かし、心で感じながらパパになる。

2、「パパの出番」を作る
パパの育児は得意技から。パパ料理、お出かけ、スキンシップはたっぷりして、子育て時間を楽しもう。イクメンはスタートが肝心。ママもほめ上手に。

3、子育ては「期間限定」
育児を楽しめるのは、ほんの数年。困難なプロジェクトを夫婦で乗り切ろう。小学生になれば親よりも友達が良くなってくる。

4、「パパ友ネットワーク」を作ろう
育児を楽しく継続させるカギはパパ友。子育てからの開放もパパの役目。

5、「ワーク"ワイフ(妻)"バランス」
大切なのはママへのサポート。夢と感謝をもって夫婦で語り合おう。いつも感謝を忘れずに「ありがとう」の言葉を添えて。

子供たちに、大人の輝いている姿を見せよう。親自身の生き方、人としてのあり方を。周りが暗いと嘆くのでなく、自分が太陽になればそれでいい。

子育て世代への応援歌。時折、子どもたちの声も聞こえてくる和やかさ、楽しくも心に残る講演となりました。

第二部
シンポジウム「自分らしく輝こう:子育て世代への応援歌」

東さんのユーモアたっぷりの基調講演の後、日頃から子育て支援に携わっている3人が加わって、シンポジウムが行われました。始めに司会進行の男女共同参画センター横浜北事業課長の常光明子さんから、テーマの「つながる・ひろがる」に焦点をあて、実のあるものにしていきたいとの発言があり、それぞれの活動紹介に入りました。

■育児休暇の中で【倉田 真希 横浜市子ども青少年局担当係長】

現在5か月の坊やを育てながら仕事を振り返り、全国に先駆けて父親学級「横浜育メンスクール」やWebサイト「ヨコハマダディ」などを企画し、夫に育休を取らせ、6週間の休業中は、授乳以外は全て協力しあい、かけがえのない時間を共有したとのこと。昔は自然にあった地域の人間関係を、今は行政が意識的に作っていく必要があり、自分も夫が仕事に復帰した後は、地域に出ていって支えられたと話されました。

■チームWITHの活動【木下 直子 チームWITH代表】

2006年最初の子育てフェスタの映像が流されました。上の子が3歳の時に10人のママ仲間と始めたもので、子どもがいてできることをしようと発想の転換をしました。スポーツ・健康づくり・子育ての3つを柱にしています。

■地域での子育て拠点になって【原 美紀 港北区地域子育て支援拠点どろっぷ施設長】

原さんは10年前から港北区で毎日のんびり過ごせる場がほしいと、仲間と「びーのびーの」というグループを始め、6年前からは市の子育て支援事業で「どろっぷ」という施設になりました。学生ボランティアや地域の人など多様な世代が関わっていて、多くの人のサポートを得て自分らしく生きられるとのことです。これに東さんも、育児に正解はないことは多くの人と関わることで分かってくると同調されました。

■つながる・ひろがるために


熱く語るシンポジストの皆さん

原さんより、学生へのアンケートでは育児へのイメージが暗く、当事者にはがんばっている故のしんどさ・負担感が強くあると報告されました。ボランティアにはその人自身の居場所になるよう働きかけているとのこと。倉田さんは、つながる相手はまず夫で同志であると発言。ここで会場から夫君が「初めに子育てを共有できて良かったが、育休を取るのはプロポーズするより100倍大変だった」と笑いを誘いました。同時に男性が育児のために休むことの壁の厚さを感じさせられました。
木下さんは地域の大学で場所を借り、母親の健康づくりを支援しているが、わが子だけでなく地域で子育てにチャレンジし、子育てを卒業した人が次に担い手になっていくということです。

■まとめとして

育メンはブームで終わらず、それが当たり前の文化を作っていきたいものです。他者との関わりの中で自分らしくあることができるので、夫の理解を得にくい中で一過性ではなく努力し、女性が変わるための楽しい作戦をしかけたいものです。シニア世代には自分の孫のみでなく地域の子育てに関わってほしいと思います。
会場のシニア世代には子育ての現状はどのように響いたのでしょうか。育じい、育ばあの声も一言ほしかつたですが、子どもを安心して育てられる環境作りには協力を惜しまない所です。今回はバギーのまま入れるようにしたので、若い人たちの笑顔が嬉しかったです。

第三部
交流会、グッズ販売(11団体自慢の手作りグッズ)

*I'm home *WE21ジャパン *AWCアジアの女性と子どもネットワーク
*FRNファイバーリサイクルネットワーク *KUU(くう)
*SuiSui(,すいすい) *W.Cake ダブルケーキ *フラワーアレンジメントプリムラ
*mikurieミクリエ *ユニフェムよこはま *夢色ガラス(参加11団体:50音順)


親子で楽しい交流

今年の女性デーは、赤ちゃんを抱っこしたり、おんぶしたりのお父さん達、バギーの中で眠る子、よちよち歩く子、甲高い泣声に気遣うお母さん、それに年配のご夫婦など3世代が一堂に会した集いでした。いずれも共に育ち合い、支え合っての地域づくりを目指す若い世代の意気込みが伝わってきました。



抱っこしてイクメンパパも参加

育休中のシンポジストの夫も赤ちゃんを抱っこして参加し、職場の近況や心情が吐露されて、会場は「イクメン」の面目躍如と盛り上りました。育児休暇をとれば男も賃金カットされる日本の現状に、子育て世代の苦悩が垣間見られ、先進国日本の懐の浅さを痛感させられました。
会場では、資生堂からのボランティア3名も活躍し、地元の11団体の手作りグッズの販売コーナーも設けられました。手作りパンやリサイクルの小物などの販売で、子どもを交えた楽しい交流がありました。
舞台上には会員たちの持ち寄ったミモザとさくらが活けられ、4回目の女性デーを誇らしげに咲き競っていました。来年の企画がまた楽しみです。

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