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国際女性デー2014

飢餓から未来を救え!アジア農村女性たちのチャレンジ

  2014年3月9日 会場:アートフォーラムあざみ野レクチャールーム

主催:
国連ウィメン日本協会よこはま
共催:
男女共同参画センター横浜北
後援:
 ちらし
拡大
NPO法人国連ウィメン日本協会
(一社)国際女性教育振興会神奈川県支部
神奈川新聞社 tvk(テレビ神奈川)


       くさぶえコーラスによる爽やかなオープニング

 当日は、朝早くからのアートフォーラム職員の方々のご協力もあり、会場準備も手際よく行えました。 ステージ脇に彩りを添えた女性デーの花、ミモザ、これは会員宅庭より会員たちの見事な連携プレイにより会場まで届けられたものでした。穏やかな天気にも恵まれ、暖かな会場には多くの参加者が集いました。 西村洋子実行委員長、横浜市男女共同参画推進協会合田加奈子理事長の挨拶に続き、爽やかな女声コーラスのオープニング。地元青葉区のくさぶえコーラスによる明るく澄み切った美しい歌声は、会場を春らしい和やかな雰囲気に包みこみました。

第1部 講演 「飢餓から未来を救え! アジア農村女性たちのチャレンジ」

アジア開発銀行 シニア農業資源マネージメントスペシャリスト 片上美知子氏

  熱く語る片上美知子さん

 今回は、カンボジアやラオスなどで、農村の女性たちとフードセキュリティー(食糧安全保障)のプロジェクトに取り組まれているアジア開発銀行の片上美知子さんを、講師としてお迎えしました。片上さんは、この日のために仕事先のマニラから、わざわざ駆けつけてくださっての講演でした。短時間ではありましたが、アジアでの食物安全保障や貧困・HIV/エイズ撲滅など、現地での様々な取り組みを熱く語られました。以下は、その要約です。
@ 食物安全保障
世界の人口70億人のうち、飢餓に瀕する10億人の3分の2がアジア・太平洋地域に暮らしている(=飢餓問題はアジアの問題)。2008年に食料価格が高騰した際には米の価格が3−4倍になり、アジア地域の貧困層は30万人増えた。食物は生産されていても、政府の悪政策のために食物を得られない人々が増加した。南アジアでは現在、子供の40%が深刻な栄養失調に陥っている。成長が遅れるだけではなく、知恵遅れや深刻な疾患の原因となり、次世代を担う人材育成に大きなダメージを与えている。これを改善するには、受精から千日間の栄養状態を良くすることが鍵である。
A ガール・エフェクト(The Girl Effect)」
一般に貧困家庭では、少女が「14歳で結婚し、15歳までに第1子を妊娠、または家族を養うために売春、エイズに感染・・」と負の連鎖が続く。この連鎖を断ち切り、ひいては貧困・HIV/エイズ撲滅を目的としたムーブメントで、欧米系の各種財団によって運営されている。掲げる目標は「12歳から定期的に医師の検診を受ける。15歳では学業を続け、安全な場所で暮らす。18歳で就職して生計を立てる。HIV感染を避け、成熟した大人になってから結婚する。このサイクルの下、生まれて来る子供もまた健康な人生を送り、正の連鎖が続く」というもの。実際にフィリピンやカンボジアで、女性が手に職を持ち就職するという結果が生まれている。
B 新たなビジネスチャンス
アジア各地の伝統工芸を活かした質の高い商品を販売する、先進国のフェアトレード企業やNGOが活躍するようになってきた。新しい試みに挑戦するグループのネットワーキングをインターネットが容易にしている。個々のレベルでは小さな試みでも、束になるとグローバルな力を持つようになる。同様に農産物にもプライベートセクターが大量の投資を行っている。こうした企業や団体と契約し、商品を製作したり農産物を出荷したりと多様に変化している農村女性が沢山いる。今までになかった大きなチャンスである。農村女性たちにとって、自分の作ったものが売れ、お金の流れが自分に向かうことは大きな自信となる。そこで生まれる経済力が次の世代の勉学や就労へと正の連鎖として繋がり、ひいては未来の私たちの食卓も支えてくれるだろう。


  映像による説明を熱心に聴く参加者

 アジアにおける深刻な諸問題の解決には特効薬などなく、様々な試みやアプローチの積み重ねの末に、人々の教育レベルや経済力の高まりの結果として実現されるのでしょう。その過程で、真の内発的発展へと転換することを願ってやみません。



第2部 交流会 協力団体の手作り品の販売と交流

出店団体
 *アジアの女性と子どもネットワーク
 *(特活)WE21ジャパン
 *FRNファイバーリサイクルネットワーク
 *つづき地域活動ホームくさぶえ
 *(特活)ビラーンの医療と自立を支える会
 *チーム ピース チャレンジャー
 *(一社)国際女性教育振興会神奈川県支部
 *国連ウィメン日本協会よこはま


  買い物を通じて情報交換

 会場には、日頃女性や子どもたちを支援している8団体による出店がありました。手作り品を中心に、中には震災被災地支援の品物も並びました。各ブースでは、お互いに商品にまつわる支援の説明や苦労話、商品を手に取っての質問などのやり取りが多く見られました。飲み物を片手に談笑したり、買い物を通じて情報交換したりと、和やかな交流風景でした。

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